2010年のオーストラリアGP、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)にとっては災難の週末になった。
災難の始まりは26日(金)の夜だった。ハミルトンは公道でドリフトやバーンアウトを行ってしたとして警察に捕まり、マクラーレンが急きょ声明を発表する事態に。その翌日に行われた予選ではまさかのQ2脱落。しかし、ハミルトンの災難はまだ終わらなかった。
レースでは順調にポジションを上げ、3番手まで浮上したハミルトンだったが、マクラーレンはハミルトンをピットへ呼び戻し、2度目のタイヤ交換を行った。
チームメートのジェンソン・バトンなど、2度目のタイヤ交換を行わなかったドライバーが上位を占める中、5番手までポジションを回復させたハミルトンだったが、マーク・ウェバー(レッドブル)に追突されてコースオフ。これでニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)に抜かれ、最終的には6位でレースを終えた。
トップ4に入ったドライバーが誰も2度目のタイヤ交換を行っていなかったこともあり、ハミルトンは戦略に納得できなかったようで、明らかにいらだっている口調でハミルトンがチームへ問いかける無線がテレビ中継でも放送されていた。
「ピットインするのは誰の判断だったの? 最悪なアイデアだよ」
レース後にもハミルトンは「戦略が正しくなかった。僕の前はみんな1ストップだったのに、僕は2回ストップしたよ」と語った。
これに対しマクラーレンのマーティン・ウィットマーシュ(チーム代表)も、ハミルトンを「不利にさせる判断をチームが下した」と認めている。