少なくとも今のところ、キミ・ライコネンはラリーのことしか考えていないようだ。
ライコネンは2010年、フェラーリとの契約を1年早く終了させることに同意し、マクラーレンからのオファーも断り、レッドブルの支援を受けながら世界ラリー選手権(WRC)にフル参戦する契約をシトロエンと結んだ。
ドイツ語で発行された『Red Bulletin(レッドブリテン)』の中でライコネンは、今はF1への興味があまりないことを認めている。
「もしかしたら、楽しむためにモナコGPには行くかもしれない。今考えてみると、F1でシートを得られたかもしれない」
「でも、僕はそんなことを望んでいるのかな?」
「今のF1では、不愉快なことばかりが起こっている。次々に自動車会社が撤退したり、チームを売却したりしているしね」
「もう(F1のことを)心配する必要がなくなったから、うれしいよ。1年後にまた話し合う」2007年のF1チャンピオン、ライコネンはこう語った。
ラリーについてライコネンは、F1と比較して次のように話している。
「F1には、背景に政治的なことが多すぎる。みんな仲間はずれにされるのが怖くて、自分の思っていることをしゃべらない」
「ラリーの雰囲気の方が格段にいいね。ドライバーのパフォーマンスでより大きな差がつく」
またライコネンは、2001年に下位カテゴリーでの経験も少ないままザウバーからF1にデビューしたときと同じような心境になっていることを認めた。
「そうだね、僕の中に若いキミがいるような感じだね。好奇心がかき立てられているし、興奮しているよ」
「F1では、毎ラップが同じような感じなんだ。雨が降ると難しくなるけど、それ以外は変化がないんだよ。でもラリーでは、1つ1つのカーブ、そしてそれぞれの丘が、自分の予想とは違っているかもしれない」
「それがラリーの醍醐味(だいごみ)だね」