モータースポーツに人生を掛けたカッコイイ大人たち ~金子博~

2010年10月07日(木)
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モータースポーツに人生を掛けたカッコイイ大人がここにいる。

フォトグラファー 金子博。

「プレッシャーは大きいけど、その分だけ喜びもでかい」

33年前からF1を撮り続け、2011年の鈴鹿では500戦目となるベテランフォトグラファー金子博でもプレッシャーはあるという。

普段は世界中のサーキットから現場の臨場感を伝える金子博の素顔に迫る。

フォトグラファー 金子博(56)
HIROSHI KANEKO / PHOTOGRAPHER

TN:カメラマンになられて、何年目ですか?

金子博:そうですね、2010年でF1は33年年目になります。早いもんですね。来年の鈴鹿で、ちょうど500レース目のF1レースになります。

TN:これまで現場で活躍されてきて、最も印象的だった場面をひとつ挙げるとしたら何でしょうか?

金子博:正直言うと余り覚えていませんね。常に最新のF1がと言いたいところですが、今思うと中嶋悟選手との5年間が一番 精神的、体力的、そして技術的にも充実していたかもしれません。本当に楽しかったし、プレッシャーをエンジョイ出来ていたころです。

TN:今回、iPhoneアプリとして「つみき」を発表されています。ご自身では特に何ページ目の場面がお好きですか?

金子博:“つみき”は私の宝です。総(すべ)てがかわいい子供たちの様な写真です。総(すべ)てが大切な写真です。

TN:良い写真は、見れば見るほど芸術作品だと思います。同じ機材を使っていても、フレームに収まった写真はまったく違う。よく「環境が人に与える影響は大きい」と言いますが、世界最高峰の極限状態で戦っているモータースポーツアスリートを追い続けていると、人間の感性というのは研ぎすまされるものでしょうか?

金子博:最高の場所で、最高のドライバーを、最高の機材で撮影できる事は誇りに思うし責任を感じますよ。プレッシャーは大きいけど、その分だけ喜びもでかいです。

TN:電子出版が普及してきた今、作品を創(つく)る側にとっては、本当に表現したかった作品を発表しやすい場ができたと思います。報道用写真とはまったく違うこの作品を通して、何を伝えたいですか?

金子博:この“つみき”に関しては、歴史の掘り起こしを目指しています。意外と歴史って簡単に忘れてしまうものと思いますので、このアプリでしっかりと、歴史をあらためて保存したいのです。最新の出来事ばかりではなく時には、時の流れや、技術の進化や移り変わりの中に、身を置くのもうれしい時間だと思います。過去を自分で振り返るのも、次のステップや次の撮影への大きなモチベーションアップになりますね。

TN:日本GPでは、あの広いサーキットを3日間、観客席とコースの間を歩き続けていると思います。観客の皆さんには、今年の日本GPをどんな視点で楽しんでもらいたいですか?

金子博:“エンジョイ”の種類は、何万種類以上もあると思います。金子の皆さんへの望みは、サーキットに来ている方は写真なんか撮らないで、カメラなんか持たないで、生のその瞬間を自分の目で見てほしいです。カメラを操作しているときに大事なシーンを見逃したら大損です。撮影はプロに任せておいてくださいね(笑)。金子の夢はカメラを持たないでF1に行く事です。

TN:最後に、日本GPが開催される鈴鹿サーキットのお勧めポイントはどこですか?

金子博:私は何といってもヘアピンが大好きです。突っ込みも、クリッピングも、立ち上がりも、車の動きとエンジンの音の微妙な変化を感じ取るのが大好きですよ。

TN:ありがとうございました。

金子博:年に一度のパスポートの要らない、外貨両替も要らない、自分の国の言葉で過ごすF1を楽しみますよ。結構プレッシャーも有りますけどね(笑)。

<金子博 作品紹介>
つみき 01 アイルトン・セナ
「つみき」は、グラプリフォトグラファー金子博が、30年余りに及ぶキャリアをかけて積み上げてきた写真で構成していきます。

アプリケーションは、毎回異なるテーマで構成。ドライバー別、コンストラクター別、年代別はもちろん、時にはグループCカーやF3など、登場するカテゴリーもさまざまです。

記念すべき第1弾のテーマは、不世出の天才ドライバー、アイルトン・セナ。金子が初めてセナと会ったときの印象的なエピソードとともに、1983~84年のアイルトン・セナを特集します。

トールマンを駆り、鮮烈な印象を残したモナコ。イギリスF3や、ニュルブルクリンクでポルシェをドライブするセナの貴重な姿などが満載!

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つみき 02 ジル・ビルヌーブ

グラプリフォトグラファー金子博が、30年余りに及ぶキャリアをかけて積み上げてきた写真で構成する「つみき」。

今回のテーマは、情熱的で、時に常識外れなドライビングを披露した、ジル・ビルヌーブ。短いキャリアの中で、記録よりも記憶に残るドライバーであったビルヌーブの意外な素顔を、金子が語ります。もちろん写真も貴重なものばかり。表彰台でインタビューに答える姿から、跳ね馬を駆り果敢なドライビングを魅せる姿まで。

「つみき」は、F1ファンのみならず、すべてのモータースポーツ・ファンに贈る、珠玉のデジタル写真集です。

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