モータースポーツに人生を掛けたカッコイイ大人がここにいる。
フォトグラファー 熱田護。
「写真からグランプリの雰囲気を感じて欲しい」
熱田が見せてくれた秘蔵写真は、いつもの報道写真とはまったく違う、まさに芸術写真だった。
1992年から18年間休むことなく世界中を飛び回っているフォトグラファー熱田護の素顔に迫る。
フォトグラファー 熱田護
MAMORU ATSUTA / PHOTOGRAPHER
TN:カメラマンになられて、何年目ですか?
熱田護:1991年に8戦、1992年から全戦取材継続中です。これって、日本人メディアで一番かもです。
TN:これまで現場で活躍されてきて、最も印象的だった場面をひとつ挙げるとしたら何でしょうか?
熱田護:いろいろとありますが、F1では、1993年のブラジルGPです。大雨で、プロスト(アラン・プロスト)がリタイアして、セナ(アイルトン・セナ)が1位になった瞬間の、観客の大歓声が忘れられません!
TN:今回、iPhoneアプリとして「Turn in」を発表されています。ご自身では特に何ページ目の場面がお好きですか?
熱田護:特に、どれという写真というのはなくて、アプリを最初のページから見て頂いて、最後のページまできた時に、そのグランプリの雰囲気が、多少なりとも感じていただければと思って撮影し、セレクトしているつもりです。
TN:良い写真は、見れば見るほど芸術作品だと思います。同じ機材を使っていても、フレームに収まった写真はまったく違う。よく「環境が人に与える影響は大きい」と言いますが、世界最高峰の極限状態で戦っているモータースポーツアスリートを追い続けていると、人間の感性というのは研ぎすまされるものでしょうか?
熱田護:自分で『作品』と呼べる写真というのは、たくさん撮れるものではないと思います。確かに、F1は世界最高峰のモータースポーツと呼ばれていますが、そこで撮影をしたからといって、感性が研ぎすまされるという事とは別の問題だと思います。僕は、カメラマン個人個人の『写真を撮る』という事への取り組み方や、モチベーションの維持の方法を考えるというのが大事なのではないかと思います。
TN:電子出版が普及してきた今、作品を創(つく)る側にとっては、本当に表現したかった作品を発表しやすい場ができたと思います。報道用写真とはまったく違うこの作品を通して、何を伝えたいですか?
熱田護:確かに、発表できる媒体が増えたのは良い事です。報道用の写真とアプリ用の写真を撮るというのは大変ですけど、すごく、自分のモチベーションにもなっています。
TN:日本GPでは、あの広いサーキットを3日間、観客席とコースの間を歩き続けていると思います。観客の皆さんには、今年の日本GPをどんな視点で楽しんでもらいたいですか?
熱田護:とにかく、せっかくサーキットに来て頂いたのですから、楽しんでもらいたいですね。自分の応援する選手には、精いっぱい手を振るなり、拍手するなりしてください! きっと伝わっていますから!
TN:最後に、日本GPが開催される鈴鹿サーキットのお勧めポイントはどこですか?
熱田護:金曜日とか、土曜日とか、可能であれば、歩いてあちこち行ってみてください! 何か発見できるものがあると思うし、実際にコーナーを見てみると、映像を見たときと違うと思います。
TN:ありがとうございました。
熱田護:盛り上がっていきましょう! 可夢偉(小林可夢偉/ザウバー)選手も何か、やってくれるでしょう!
<熱田護 作品紹介>
グランプリフォトグラファー熱田護が、渾身(こんしん)の思いを込めて切り取った、グランプリシーンの数々。そこに写る被写体への思いをつぶやく、熱田自身の言葉とともに、お届けします。
■Turn in 02 ベルギーGP号
今年のベルギーGPを迫力ある写真と、日本を代表するジャーナリストの分析で振り返る、DIGITAL写真集です。
「言葉」で、より深く、の一面を描き出します。
執筆するのは、赤井邦彦、柴田久仁夫、尾張正博。日本を代表するモータースポーツジャーナリストの3人に、グランプリで気になった1つのテーマについて、それぞれの意見を展開してもらいます。ベルギーGPにおけるテーマは、ずばり「セバスチャン・ベッテル」。さて、どんな意見が語られるのか。
執筆陣には、さらにもう一人。ケンサワの愛称で親しまれる、モータースポーツフォトグラファー澤田賢志がライターとして参加。グランプリ言いたい放題! なコラムを展開します。
気まぐれなスパ・ウェザー、名物コーナー、オー・ルージュ。混乱をコントロールした、元王者ハミルトンの貫禄、若きベッテルの焦り。そしてルーキーらしからぬレース巧者ぶりを発揮した、小林可夢偉。
数々のドラマが演じられたベルギーGPを臨場感あふれる写真と、確かな分析がなされたレポートで振り返ります。
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■Turn in 03 イタリアGP号
元王者フェルナンド・アロンソと前王者ジェンソン・バトンの息詰る攻防が展開された、今年のイタリアGP。熱狂的なフェラーリ・ファン、ティフォシたちの見守る中で展開されたレースの模様を、迫力ある写真と日本を代表するジャーナリストの分析で振り返る。
「言葉」で、より深く、レースの一面を描き出します。
執筆するのは、赤井邦彦、柴田久仁夫、尾張正博。日本を代表するモータースポーツジャーナリストの3人が、アロンソとバトンの戦いについて、それぞれの意見を展開します。
ケンサワの愛称で親しまれる、モータースポーツフォトグラファー澤田賢志がライターとして参加。グランプリ言いたい放題! なコラムを展開します。
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