シンガポールでのナイトレースを終えたF1サーカスが、いよいよ日本にやってくる。2010年F1第16戦日本グランプリは、三重県の鈴鹿サーキットが舞台だ。
鈴鹿は、コース途中に立体交差があり、世界でも珍しい8の字レイアウト。低速コーナーから、中速コーナー、そして高速コーナーまでそろっており、非常に攻略が難しいコース。かつてはF1も開催されたニュルブルクリンク(ドイツ)の北コース、ベルギーグランプリの舞台スパ・フランコルシャンなどと並び、世界最高峰のコースと評されることも多い。
高速コーナーも多い鈴鹿では、タイヤに大きな負荷がかかることから、ブリヂストンはソフトとハードのコンパウンドを持ち込む。鈴鹿での大きな負荷に対応するため、ハード寄りの組み合わせが選択された。
鈴鹿では、コース上での追い抜きが可能な点もファンやドライバーから愛される理由の1つだ。実際にこれまで、数多くの名バトルが繰り広げられてきた。追い抜きの大きなチャンスになるのは2ヶ所。まずは1コーナーがチャンスになる。そして、もう1ヶ所はコース終盤のシケインだ。
鈴鹿で優勝の最有力候補になるのはレッドブルとフェラーリだろう。鈴鹿には中高速コーナーが多いため、こういったコーナーで圧倒的な強さを見せていたレッドブルの圧勝になるとの意見もあった。
しかし、シーズン終盤戦になってフェラーリがパフォーマンスを向上させており、コース特性が正反対とも言えるイタリアGPとシンガポールGPではフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が2戦連続のポール・トゥー・ウィンを達成。チーム側もシーズン終盤戦に向けて自信を見せており、鈴鹿でもフェラーリとレッドブルが優勝争いを繰り広げると思われる。
一方、やや後れを取った形になっているのがマクラーレン。この3チームによるタイトル争いになっているだけに、マクラーレンとしては鈴鹿で巻き返したいところだ。
日本GPということで、やはり日本人ドライバーの活躍にも期待が高まる。前戦シンガポールGPではクラッシュによるリタイアとなった可夢偉だが、シンガポールでは手応えを感じたと語っていた。また、鈴鹿はザウバーのクルマとの相性もいいと話しており、日本でのポイント獲得に期待したい。
もう1人の日本人ドライバー、山本左近(ヒスパニア・レーシング)はシンガポールGPを欠場。突然の交代劇だっただけに、当初は今後のシートを心配する意見もあったが、日本GPから再びレースに出場する見込みだ。左近にとって鈴鹿での日本GPは、SUPER AGURIに所属していた2006年以来になる。
これまでに数多くのドラマを生んできた鈴鹿サーキットでの日本GPは、10月8日(金)午前10時に開幕。決勝は、10日(日)午後3時にスタートする。
TopNews携帯サイトの『F1日本GP特集』では、小林可夢偉(ザウバー)のコース紹介を掲載中。現役F1ドライバーが語る鈴鹿の攻略法をぜひお楽しみください。