メルセデスが、2011年仕様KERS(運動エネルギー回生システム)の供給価格を当初の100万ユーロ(約1億円)から600万ユーロ(約6億4,000万円)に引き上げたと報じられている。
『Auto Bild Motorsport(アウト・ビルド・モートアシュポルト)』によると、各F1チームは当初、他チームへのKERS供給価格を100万ユーロに抑えることで合意していた。また、コスト抑制のため、KERS開発費も制限され、100万ユーロの供給価格に加え、1チームあたりのシステム開発費は500万ユーロ(約5億3,000万円)までとされていた。
しかし、メルセデスのエンジンを使うマクラーレンとフォース・インディアは、それぞれ600万ユーロ(6億4,000万円)を請求されたという。
メルセデスのエンジンは900万ユーロ(約9億6,000万円)で供給されていることから、特にフォース・インディアには、KERSの代金を支払う余裕がないと8日(水)に報じられた。
だが、メルセデスのKERSを使うメリットもある。2009年のKERSは、重量が25kgだったが、来年のシステムは21kgにまで軽量化されているようだ。
メルセデスのほかにKERSを供給する予定のフェラーリ、ルノー、ウィリアムズなどは、KERSの価格引き上げを行わないとみられている。
ウィリアムズのテクニカルディレクターであるサム・マイケルは、報じられた開発費に驚いたと語る。
「われわれは、KERS開発費を50万ポンド(約6,400万円)だと見積もっている。重量は、25kgを上回らないだろう」