イギリスのF1解説者たちが、F1復帰から8戦を戦ったミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)を批判している。
2010年シーズンはすでに、シューマッハにとって厳しいものになっていたが、カナダGPでシューマッハは、予選13番手になり、決勝もポイントを獲得できないという悲惨なものだった。
『BBC』の解説者マーティン・ブランドルはレース後、「今日のシューマッハのドライビングは、恐ろしいものだった」とコメントしている。
ブランドルは、シューマッハがセバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)に抜かれ、最終ラップではフォース・インディアの2台にも抜かれていたことを指摘。さらにロバート・クビサ(ルノー)やフェリペ・マッサ(フェラーリ)とのバトルについては、次のよう語った。
「シューマッハのマシン後部は、ロバの背中だと思っておくべきだ。復帰以来、シューマッハにとっては最悪な週末だった」
普段であれば、シューマッハにとって一番の味方になる『Bild(ビルト)』紙も、今回ばかりは「シューミ(シューマッハの愛称)の最悪なラップ」と報じ、次のように加えた。
「シューマッハは、復帰してから感じていなかった屈辱を味わった」
また、シューマッハがF1にデビューしたチーム、ジョーダンのチームオーナーだったエディ・ジョーダンは、次のように語っている。
「(カナダでの)大きな話題は、ミハエル・シューマッハがトップ10にも入れなかったことだ」
「これは、ミハエル・シューマッハの復帰における、非常に大きな懸念だ」
かつてのライバルであるデビッド・クルサードは、全盛期のシューマッハは常にジル・ビルヌーブ・サーキットで輝いていたと振り返り、『Telegraph(テレグラフ)』紙のコラムでこう書いた。
「正直に言って、日曜(13日)の彼は、かつての彼自身の陰に隠れたように見えた」
「シューマッハを酷評しようとしているわけではない。でも、彼はどうしてしまったんだ? 僕の意見を言うとすれば、F1が変わったんだと思う」
クルサードが指摘しているのは、現在のタイヤがより硬くなり、細くなった点。そして、毎分1万8,000回転に回転数が制限されたV8エンジンには「トルクがない」とも指摘している。