2010年にF1へ復帰したミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)については、シーズン終了を前にして再び引退するとのうわさまで出ているが、シューマッハ本人は「とてもモチベーションが高い」と語っている。
3年間のブランクを経て復活したシューマッハだが、今季はこれまでチームメートであるニコ・ロズベルグのペースについていけていない。
しかし、メルセデスGPはスペインGPでホイールベースを延長したクルマを投入することになっており、これによってシューマッハのドライビングスタイルに合ったクルマになると言われている。
「それ(改良されたクルマ)が投入された時、すべてを再評価する必要があるだろう」
「もし彼が結果を残せなければ、問題は彼にあるのだと思う」3度チャンピオンになっているジャッキー・スチュワート卿はこうコメントした。
スチュワートは、そもそもシューマッハが2006年に引退するべきではなかったと考えていたようだが、次のように加えた。
「2006年に彼が引退した時、私は彼が引退するべきではないと思っていた。あれは彼のやり方じゃないと思っていたからね。だが、あれが彼のやり方だったのかもしれない」
だが、シューマッハのライバルとして1990年代にタイトルを争っていたデーモン・ヒルは、「昔のシューマッハ・マジック」がすぐに復活する可能性もあると語る。
メルセデスGPはシューマッハのために「資金を無駄にしている」と批判的な見出しがつけられた『Daily Mail(デイリー・メール)』紙の記事の中で、次のようなヒルのコメントが掲載されている。
「(シューマッハ・マジックは)まだあるのか?」
「それはマイケル(シューマッハ)自身が自らに問いかけているはずだ。4戦を終えて、その答えが明らかになってくるだろう」
だが、メルセデスGPのリリースでシューマッハは、バルセロナに投入される改良版のクルマですぐに優勝争いができる可能性を否定しつつも、今後の戦いについて前向きなコメントを残していた。
メルセデスGPのチーム代表ロス・ブラウンも、シューマッハには「成功を収めるため、確固たる決意がある」と話している。
さらにシューマッハは、こう加えていた。
「バルセロナでの僕たちの進歩は、フライアウェイのレースでの進歩よりも大きくなるけど、急にトップで戦うことを期待するのは現実的じゃない」
「でも、3年間のブランクがあっても、僕のモチベーションがまだとても高いのはいいニュースだね。挑戦に対する準備は整っているよ」