モータースポーツに人生を掛けたカッコイイ大人がここにいる。
フォトグラファー 松本浩明。
「サーキットのライブ感、生な感じを伝えていきたい」
世界一のイベントという、日常とは違うサーキットのライブ感を届け続けるフォトグラファー松本。
F1だけではなく、インディカーなどへも活動の場を広げ、世界中からモータースポーツの魅力を伝える松本浩明の素顔に迫る。
フォトグラファー 松本浩明(44)
HIROAKI MATSUMOTO / PHOTOGRAPHER
TN:カメラマンになられて、何年目ですか?
松本浩明:大学を出て出版社に入社したのは22年前。フリーランスになったのは17年前です。
TN:これまで現場で活躍されてきて、最も印象的だった場面をひとつ挙げるとしたら何でしょうか?
松本浩明:さすがに、これをひとつというのは、なかなか難しいですね。ですが、イギリスF3で佐藤琢磨がチャンピオンを獲(と)ったレース(2001年9月)は印象深いです。なぜなら、その現場にいた日本人フォトグラファーは、僕ひとりでしたから。F1にはみなさん取材&撮影に行かれますが、F3やツーリングカーに腰を据えて取材を行かれる人は今も少ない。あの時、あの場所にいられた自分は幸せだったと思います。
TN:今回、iPhoneアプリとして「Peak」を発表されています。ご自身では特に何ページ目の場面がお好きですか?
松本浩明:実は今回動画にも挑戦していて(笑)。四苦八苦したのですが、佐藤琢磨選手のインタビューを録(と)らせてもらいました。このPeakで動画デビューです(笑)。自分ではその動画が印象に残っていますね。ロケーションを選んで、TAKE1、TAKUE2、、、と思い出すと、笑いが止まりません。良くも悪くも、最初の仕事です(笑)。
TN:良い写真は、見れば見るほど芸術作品だと思います。同じ機材を使っていても、フレームに収まった写真はまったく違う。よく「環境が人に与える影響は大きい」と言いますが、世界最高峰の極限状態で戦っているモータースポーツアスリートを追い続けていると、人間の感性というのは研ぎすまされるものでしょうか?
松本浩明:自分が研ぎすまされているという実感は薄いかもしれませんが、サーキットに来ている人間のすべてが、世界一のイベントに来ている人間たちだという意識はあるかもしれません。その現場の空気というか、“気”をすごく意識することはありますね。やはりそれは日常とは違う。コンセントレーションしていないと置いて行かれてしまうような感じ‥‥。
TN:電子出版が普及してきた今、作品を創(つく)る側にとっては、本当に表現したかった作品を発表しやすい場ができたと思います。報道用写真とはまったく違うこの作品を通して、何を伝えたいですか?
松本浩明:やはりサーキットの空気、ライブ感、生(なま)な感じを伝えていきたいですね。喜怒哀楽、すべての感情がそこにあって、それを共感してもらえる作品を届けていきたいと思っています。
TN:日本GPでは、あの広いサーキットを3日間、観客席とコースの間を歩き続けていると思います。観客の皆さんには、今年の日本GPをどんな視点で楽しんでもらいたいですか?
松本浩明:どのドライバーも鈴鹿はチャレンジングと言いますよね。しかもシーズン終盤にかけてチャンピオン争いも熾烈(しれつ)になっている。今年の鈴鹿は面白いと思います。それと小林可夢偉選手にぜひ応援を送ってほしい。みなさんもきっと可夢偉選手のすごさを目の当たりにすると思います。
TN:最後に、日本GPが開催される鈴鹿サーキットのお勧めポイントはどこですか?
松本浩明:僕は鈴鹿5.8キロ、コースのすべてが観戦ポイントであり、撮影ポイントだと思っています。
TN:ありがとうございました。
<松本浩明 作品紹介>
Peakは、アメリカン・レーシングの最高峰インディカー・シリーズをクローズアップ! 日本人ドライバーの戦いぶりを伝えていくことを中心にとらえた、DIGITAL写真集です。
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第1号は、開催を直前に控えた「インディジャパン300マイル」へのプレビューをお届けします。
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