WRC(世界ラリー選手権)のラリー・フランスで優勝して2010年のチャンピオンに輝き、前人未到のWRC7連覇を達成した。なお、キミ・ライコネンはラリー・フランスをリタイアしている。以下、プジョー・シトロエン・ジャポンのリリースより。
絶対に勝ってほしいという期待とプレッシャーのなか、理想的な展開となりました。セバスチャン・ローブとダニエル・エレナがアグノーのタウンホール前でシトロエンC4 WRCを止めたとき、二人は世界ラリー選手権(WRC)での60回目の勝利と、7年連続のWRCタイトルを手にしたのです。
ラリー界に燦然(さんぜん)と輝くパフォーマンス。地元出身のローブの勝利は、応援していた30万を超える観客の大きな感動を呼びました。ダニ・ソルド/ディエゴ・ヴァレージョ組の2位入賞という活躍もあり、シトロエン・トタル・ワールドラリーチームは6度目のマニュファクチャラーズ・タイトルを勝ち取りました。
デイ2までの長いSSを終え、クルーはストラスブールの北へと向かいました。最終日はサービスパークを全くはさまず、軍事キャンプ地ビッシュとローブの故郷アグノーを2回ずつ走ります。
7度目の世界チャンピオン獲得に挑戦するローブは、ストラスブールから初めての市街地ステージとなるアグノーへ向かうリエゾンで高まる一方の観客の興奮に心揺さぶられていました。「一般道もステージも、どこもかしこも人であふれていた。胸がいっぱいになった」
ダニ・ソルドの1日も同じく心揺さぶられるスタートとなりましたが、その理由はローブとは少々ことなりました。 「あの短いステージが曲者(くせもの)だった。あんまりいいペースノートをとっていなかったから余計にね。ウオーターホースの留め金が取れる、というトラブルもあった。修理できたけどね。」
ソルドはビッシュ(SS18)でローブを抑えて最速タイムを出し自信を回復します。「スプリットタイムが全くわからないから、ペースが正しいかどうか把握するのがとても難しかった。最速タイムが出てびっくりしたくらいだよ」。
ローブはリードを大事にする作戦をとったことを認めています。「スプリットタイムなしでは、目隠しして走っているようなもの。だから短いステージではどんな小さな危険も犯さなかった」ビッシュでのリグルーピングに相当の時間をとったため、主催者側は2回目のビッシュ(SS19)のキャンセルを決定、ラリーはアグノー通りでフィニッシュを迎えました。
フィニッシュラインを越えたローブは、C4 WRCのルーフにかけ上り喜びを爆発させました。「僕にとってのベストは、これからも最初に獲(と)った世界タイトルだろうけど、今日の勝利は心のなかの特別な場所に刻み込まれるだろう」
「僕たちはとても難しいレースに勝った。故郷でフィニッシュラインを越えるのはとにかく格別な気分だし、こんなに多くの人が来てくれるなんて信じられない。こんなにたくさんのお客さんがラリーを見に来てくれたのは、初めてだと思うよ」
「フィニッシュできてよかった」と、ダニエル・エレナも興奮気味に語ります。「このラリーは本当に難しかった。でもミスをすることなく、僕たちにもシトロエンにも勝利をもたらすことができた」2位のソルドも満足気な笑顔です。
「まず、今週も強かったローブとエレナにおめでとうと言いたい。僕たちもいいラリーができて、シトロエンの6度目の世界タイトル獲得に貢献できたことをうれしく思う。3週間後は、僕の母国スペインでの戦いだから、ローブにあやかって勝利を目指したいね」
シトロエン・レーシング・チーム代表オリビエ・ケネルはチームとクルーの活躍ぶりに胸を張ります。「ローブは、今回とてつもない偉業を成し遂げました。想像を絶するプレッシャーがかかっていたはずなのに動じることなく、最速タイムを目指して集中したのです」
「世界チャンピオンになるためには、今回必ずしも1位になる必要はなかったのですが、ローブは根っからの負けず嫌いなんですね。必要なことだけをやっていればいい、なんていう走りはできなかったのです。今回またもや、ローブが今のラリー界で最高のドライバーだということが証明されました」
「シトロエンにとって、またもや歴史的な日となりました」とシトロエンのゼネラル・マネジャー、フレデリック・バンゼは付け加えました。
「フランスでワン・ツー・フィニッシュ、そしてドライバーズ、マニュファクチャラーズ両方の世界タイトル決定──とにかく素晴らしい! 世界最高のラリーチームのおかげです。ヴェルサイユのシトロエン・レーシング・ファクトリーで働くすべてのみなさん、そして今回の世界タイトル獲得に貢献してくれたすべてのみなさん、ありがとう」