フェラーリのチーム代表ステファノ・ドメニカリについては、フェラーリを再びタイトルへ導くには「お人よしすぎる」との意見もあるが、ドメニカリ本人がこれを否定した。
ドメニカリがフェラーリのチーム代表になったのは2008年。その年は最終戦までタイトルを争ったものの、昨年はスランプに陥った。
今シーズンも、開幕前はタイトル候補とされていたフェラーリだが、開幕戦に優勝した後は中団グループに埋もれることが多くなっている。
フェラーリはドメニカリをチーム代表へ昇格させるのと同時に、ジャン・トッド(前チーム代表)、ミハエル・シューマッハ(現メルセデスGP)、元テクニカルディレクターのロス・ブラウン(現メルセデスGPチーム代表)、空力責任者だったジョン・アイリー、デザイナーのロリー・バーンなど、黄金時代を築き上げた人材を失っていた。
統括団体FIA(国際自動車連盟)の前会長マックス・モズレーは最近、イタリア色が色濃くなってきているフェラーリは「以前の姿に戻りつつある」とコメント。また、ドメニカリは、チームを率いていくには「お人よしすぎる」と批判されることも多い。
これに対し、次のように反論するドメニカリのコメントを『The Guardian(ガーディアン)』が掲載した。
「気にしないよ。私のスタイルを気に入らない人がいるからといって、自分の哲学を変えるつもりはない」
「勝者になるための、もしくは、あるグループの責任者になるための、決められた特定のスタイルがあるわけじゃない」
さらにドメニカリは、チーム規模の縮小や支出が制限される新時代に対応する必要があり、フェラーリがフィオラノに所有するテストコースもほとんど使用できない現状を指摘し、こう加えた。
「数年前には、投資に関する規制がなかった」
「何に対しても、何の制限もなかったのだ。2年前には、100あるうちの1つが欲しかったが、今では1つ欲しいものが半分しかない」
「現在のF1は、環境も文化も変わっている。だが、大きなグループの精神面を変えるのは難しいことだ。それが、われわれにとって最大の挑戦になる」