攻撃的な走りにより、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)を非難する声もライバルのドライバーから出ているが、ハミルトンに対する魔女狩りのようなものはないとマーク・ウェバー(レッドブル)は語る。
マレーシアGPでハミルトンは、背後にビタリー・ペトロフ(ルノー)がいるにもかかわらず、ホームストレートでウィービング(クルマを左右に振る行為)を繰り返し、スチュワードから警告処分を受けていた。
そして中国GPでは、ハミルトンに押し出されたことをウェバーが無線でチームへ不満そうに報告している。このほかにも中国GPでハミルトンは、ピットレーンでセバスチャン・ベッテル(レッドブル)とバトルを展開し、ベッテルとともに戒告処分を受けた。
だがウェバーは、ライバルたちがハミルトンに対して厳しくしていることはないとして、『BBC』へ次のように語った。
「ルイスに対する敵意はないよ」
ペトロフとの一件についてウェバーは、ストレートラインでのウィービングに対する統括団体FIA(国際自動車連盟)の立場を明確にするよう、ドライバーらが求めたと話している。
ウェバーは「誰に対しても魔女狩りのようなことは」行われていないと加え、さらに続けた。
「誰かがあんな走り方をしたら、いくつか疑問は出てくるものだよ。それ自体は当然なことだと思う。結局、大きな問題になる前に処理できた。ルイスはちゃんと分かっているし、僕たちはこのまま前に進んでいく」
3度の世界チャンピオンであるジャッキー・スチュワート卿は、オーバーテイクにおけるハミルトンのスキルと、コース上での「情熱の大きさ」が他のドライバーにとって問題になったのだとしている。
「彼は自分のスキルで多くのドライバーの目を覚まさせた」とスチュワートは『Mirror(ミラー)』紙へ語り、こう加えた。
「彼が危険だとは思わない。彼には大きな情熱があるが、その情熱が思いもよらない判断を下される原因になり得ることも彼は理解する必要がある。それも成長のプロセスだ」