インディカー開幕戦の予選が延期

2010年03月14日(日)
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今年が初開催のストリートイベントは、ブラジル最大の都市サンパウロで行われる。サンパウロ・インディ300はコース全長2.536マイル=約4.080kmの大半が公道で、交通量の多い街とあってレースのために完全封鎖がなされたのはプラクティスがスタートする直前の金曜夜だった。

土曜日の午前9時過ぎ、ほぼ予定通りにプラクティスは始まり、24台のインディカーが一斉にコース・イン。2010年シーズンが華々しく幕を開けた。

ところが、スタート・フィニッシュライン前後のコンクリート舗装のエリアが、高速でインディカーを走らせるには凹凸が多過ぎる上、グリップも極めて低いと判明した。

その部分はプラクティス・セッションが進み、タイヤのラバーがこすり付けられてもグリップが上がらなかった。2回目のプラクティスは路面温度の上昇も手伝い、さらに滑りやすいコンディションとなった。

IRLとイベント・プロモーターは、走行開始からドライバーたちの意見に耳を傾け、プラクティス予選を明日に延期し、予選の代わりにプラクティスをもう一度行うことを決定した。

驚くべきバンピーさでドライビングが非常に難しいコンディションだったが、ドライバーたちは周回を重ねることでマシン・セッティングを進めた。その結果、走行初日にはチーム・ペンスキーのレギュラー・シートを獲得したウィル・パワーが1分31秒2980の最速ラップタイムを第3プラクティスで記録した。

2番手タイムとなる1分31秒3403は地元ブラジルのトニー・カナーン(アンドレッティ・オートスポーツ)がマークして喝采(かっさい)を集め、3番手は今季よりアンドレッティ・オートスポーツに抜擢(ばってき)されたライアン・ハンター・レイの1分31秒3858だった。

武藤英紀(ニューマン・ハース・ラニガン)は、プラクティス2回目終了間際にコンクリートウォールにヒット。マシンの右前部にダメージを受けたため、プラクティス3回目の走行時間を少なくしてしまった。武藤は自己ベストを3回目のプラクティスで記録。ラップタイムは1分33秒1872で20番手だった。

今回がインディカーデビューとなる佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー)は、バンピーな路面が原因かギアボックスのセンサーにトラブルが発生。プラクティス2回目の走行時間が減る不利に見舞われた。3番目のセッションでセッティングを大きく向上させた佐藤だったが、ベストラップタイムは1分33秒0667で、3回のプラクティスを総合すると18番手にランクされた。

明日の日曜日、改修された路面コンディションを確認すべく午前8時ちょうどから15分間のプラクティスが行われ、その後すぐに予選へと突入する。決勝レースのスタートは予定と変わらず午後1時となる。

ウィル・パワー
「サンパウロのコースを私は気に入った。予選を明日に延期したのは、主催者の正しい決断だったと思う。滑りやすいセクションは、ドライビングがとてもシビアになっていたからだ。プラクティス3回目には全ドライバーのラップタイムが接近していたので、明日の予選・決勝ともに激しく争われることとなるだろう」

トニー・カナーン
「チームの努力に本当に感謝している。アンドレッティ・オートスポーツ全体がすばらしい働きを見せてくれ、いい一日にできた。しかし、今日よりももっと大切なのが明日だ。路面のコンディションが多少変わっても、われわれはマシンに大きな変更を施さなくてもいい状態だ」

(ホンダプレスリリース)

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