ブラジルGPかアブダビGP、もしくはその両方で、クリスチャン・クリエンがヒスパニア・レーシング(HRT)からレースに出場する可能性がある。
こう報じているのは、クリエンの母国オーストリアの『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』紙。同紙は、リタイアに終わったものの、シンガポールGPでレースに出場した際、クリエンが力強いパフォーマンスを見せていたと指摘している。
HRTでは、シーズン途中から山本左近がレースに出場していたが、左近はシンガポールGPでレースを欠場。チーム側は左近が食中毒になったと説明していたものの、これには持ち込み資金など、ほかの要因が絡んでいたとみられている。
しかし『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』によると、HRTはコンストラクターズ選手権で10位になることを目指し、クリエンのレース起用を検討しているようだ。
現在、コンストラクターズ選手権の10位につけているのはロータス。2010年の新規F1チーム、HRT、ロータス、ヴァージンが10位の座を争っているが、この3チームはポイントを獲得できていない。だが、ヘイキ・コバライネン(ロータス)が日本GPで12位に入ったことにより、現在はロータスが選手権10位になっている。
しかし、もしヴァージンかHRTが11位に入ることができれば、その時点で選手権10位に浮上する。
新規チームが選手権10位にこだわっているのは、レーシングチームとしてのプライドだけではなく、金銭面の理由もある。F1では、商業収入などが各チームへ分配されるが、この分配金を受け取れるのはコンストラクターズ選手権10位までのチームのみだとされている。