F1のグローバル化はヨーロッパのドライバーに不利?

2010年11月26日(金)
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近年、急速にグローバル化を進めるF1。しかし、その結果として、F1にとって伝統的な土地である、ヨーロッパのドライバーがシートを獲得しにくくなってきた。

こう語るのはクリスチャン・クリエン(ヒスパニア・レーシング)。クリエンは今年、ヒスパニア・レーシング(HRT)から数戦に出場し、速さを見せていたものの、2011年のシートはまだ決まっていない。

チームへ資金を持ち込むドライバーの影響力がこれまで以上に大きくなっているとしながら、クリエンは『Vorarlberg Online(フォアアールベルク・オンライン)』へ次のように語っている。

「ニコ・ヒュルケンベルグ(ウィリアムズ)の件は、何も保証なんてないことを証明している」

「彼は最高なデビューシーズンを過ごして、ブラジルではポールポジションも取った。でも、シートを失ったんだ」

「僕に関して言えば、いくつか選択肢がある」

「もちろん、HRTが最も分かりやすい選択肢だね。度々つまずくことはあるけど、彼らは真のチームになろうとしている」

「2月の段階では、チームがあまりできていないような状態だったし、まさか自分が今年3戦を走ることになるとは思わなかった。でも、(2011年の)3月まで、まだ時間はあるよ」

さらにクリエンは、オーストリア出身という地理的な問題からフルタイムのF1シートを獲得することが困難になっていると語る。

「中央ヨーロッパ出身だと、かなり厳しいんだよ」

「F1は急速に国際化した。以前なら、イギリス人、イタリア人、フランス人にいいチャンスがあったんだ」

「今では、コックピットの数は増えたけど、ドライバー市場にいるドライバーの国籍がかなり増えた。ロシアやインド、そして東南アジア。それに、韓国や中国も入ってくるだろうね」

「8人目のドイツ人だとしたら、かなり厳しくなる。フランスやイタリアを見てみればわかるよ。20年前には、10人ずついた。それが今ではどうなった?」

また、不況や、大規模な経済的支援を獲得しているドライバーの影響もあるとクリエンは加えている。

「世界ラリー選手権(WRC)のキミ・ライコネンみたいな大物でさえ、コックピットを得るためにスポンサーに頼っているんだ」

「しかもF1では、各チームがばく大なコストというプレッシャーにさらされているからね」

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