マーク・ウェバー(レッドブル)が、シーズン終盤のケガを隠したことに対し、レッドブルの首脳は「失望とフラストレーション」を感じたと明かしたが、ウェバーを擁護する意見もある。
2008年末にはマウンテンバイクで事故に遭い、脚を骨折するなどしていたウェバー。最近に出版された本の中で、2010年シーズン終盤に、またもマウンテンバイクで負傷し、肩の骨を折っていたことが明かされた。
しかし、今回のケガはウェバーのトレーナーとF1の統括団体FIA(国際自動車連盟)の医師にしか明かされず、レッドブルの首脳陣も6日(月)の報道でその事実を知っていた。
「もちろん、彼には雇用主に対する義務がある。だが、(ケガは)あまりひどいものではなかった可能性もある」と元F1ドライバーであり、今はフォルクスワーゲンのモータースポーツアドバイザーであるハンス・ヨアヒム・シュトックが『SID通信』へ語っている。
さらにシュトックは、ウェバーが肩の骨を折りながら戦った終盤4戦でのパフォーマンスは「まさに英雄的なもの」だとコメントした。
「そういったハンデがありながら、あれほどいいパフォーマンスを見せたのだから、彼には脱帽するよ」とシュトックは加え、「チーム内での立場が弱まる」ことを防ぐため、ケガを隠していたのだろうと推測した。
「ワールドチャンピオンになることを目指し、彼があらゆる手を尽くしたことは間違いない」ともシュトックは話した。
また、同じく元F1ドライバーであるクリスチャン・ダナーも、ウェバーがFIAの医師も了承した上でレース前に注射を打っていたことを指摘。「FIAが知っていたのなら、彼は何も間違ったことをしていない」とウェバーを支持した。